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「ウエナカ革彫刻」の日々徒然日記。

「ウエナカ革彫刻」の日々徒然日記。

上中勝からのご挨拶

上中勝からのご挨拶・・・


あらためまして
ウエナカ革彫刻の上中です。

私はレザーカービングを施した革製品を主に作っています。
レザーカービングといっても、動物や風景を写実的に表現
する「フィギアカービング」と、建築物や衣料、その他様々な
生活空間の中に存在する唐草装飾に分けることができます。



そんでもって、
不思議な響きの「唐草」に
日本人の僕はとりつかれてしまっていました。。。



top-p.JPG



この「唐草」の名称の由来は諸説ありまして
「絡みあった草」=(絡み草→唐草)・・・等々・・・。

いろいろあるそうですが
本当のところは実は、良く分からない。

私もずっと勉強してますが、
未だに良く分からないのです。


・・・が


まぁ、名称の由来はともかく



唐草風呂敷



↑「泥棒さんの風呂敷」↑が


私たち日本人の「唐草」で
真っ先に思い浮かぶ模様のイメージなんですね~。






しかし・・・



世界的に見ても、「唐草模様」の範疇の広さはすごいです。
紀元前何千も前から「土器」などに描かれている模様。


古代オリエント、アラベスク、ロマネスク、中国、日本・・・



紅葉





各時代的、地域的にも範囲は広い。
これ以上、学術的なお話は専門家博士に任せて。。。



町を歩けば・・・


実は生活の中に「唐草模様」は隠れているんです・・・。



2006年 ルミナリエより


↑「2006年 神戸・ルミナリエより・・・」



例えば、建築物の装飾、ジュータンやカーテンなど衣服の柄、
もちろん革製品に施されたレザーカービングの柄も唐草。


挙げればきりが無いほど「唐草模様」は隠れているんですね。



そういう意味では
「唐草模様」はその時代や生き方の背景に
うまく「溶け込んで」
私たちの文化の中に息づいているのかもしれません・・・。



ROSE バラ 薔薇




そもそも唐草は純粋な植物模様ではないんですね。


ほとんど人工的な創作模様と言えます。


良く見ると・・・


まるで、あり得ない茎の蛇行、旋転・・・。


花唐草模様などの花びらや、葉の形や大きさのバランス・・・


しかし、動物に比べ静動的な植物は、
可憐な「草花=くさばな」として、実生活の中に
自然に溶け込んでいるものであり、
時として生命の源だったように思えます。




桜1



桜2




確かに男の僕でも植物観察に良く出かけます。
そして癒されたりしてます。





葉っぱ





だからと言ってその静動的な草花を
そっくりそのまま模写する事は
小学校の写生授業を最後にないんですけどね・・・。




それでも家の中にあるフォトフレームに
施された花唐草にふと、気づく瞬間・・・



唐草門



何気ない散歩の途中で・・・
家の門柱に施された唐草模様



九鬼の灰皿




古いアルバムを押入れから出した時に
表紙のヨーロピアン調の唐草に初めて気がついたり・・・


デザートを食べる瞬間ふと、
ステンレススプーンの枝に綺麗な唐草を見つけたり・・・



ギターヘッド




僕はどうしても仕事柄、
唐草を探してしまうんですが、あくまでも
生活の中に溶け込んでいる唐草模様は、「装飾」であり
その装飾媒体こそが、実生活に根付いた大事な物であります。



しかし、「今まで気づかなかった・・・・」


また、何度見てもその唐草から
感じるものがその時々によって違っていたり・・・


つまり見る時、見る人の心の状態が
その「唐草模様」の存在を引き出し、感動を与えるんですね。



1a上中工房1 (119).jpg





レザーカービングの話に戻ります。


私が表現している「唐草」。


私たちの「食」・「命」を支えてくれている牛。

その副産物である「革」。

死した牛の革に、私たち人間の
心のなかに永遠と生き続けていけるような・・・。


そんなレザーカービングを続けていきたいと思います。







おつきさま






  上中勝


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